カルシウムの吸収性って何?

雑誌やコマーシャル等で「吸収性の良い○○」とか「○○の吸収を助ける」といった言葉を目にすることがありませんか?
今回はカルシウムの吸収性について、実際に行ったテストの方法、結果と伴に解説してみましょう。

カルシウムの吸収率を比較する方法には大きく3つあります。

最も簡便な方法は尿のカルシウム量をカルシウム摂取前後で測定、吸収率を推定する方法ですが、食事からどれだけカルシウムを摂取したかにより変動し、尿中には食事由来と自分の骨や消化液由来のカルシウム(内因性カルシウム)が混在しており、正確な吸収率は測れません。

次に、摂取したカルシウム量と便ならびに尿に排泄されたカルシウム量から吸収率を算出する方法があります。この方法では見かけの吸収率が計算されますが、前述の方法と同様に、便や尿には食事由来と内因性のカルシウムが混在しており、正確な吸収率は測れません。また、規則正しい排便習慣のない人から便を正確に回収することが難しく正確なデータを得るのが困難です。

そこで現在のところ最も正確で有用な方法として、カルシウムの安定同位体(放射性のない同位元素)を用いて経口摂取した後排出されたカルシウムと自分の骨など体内から排出されたカルシウムを区別して吸収性を調べる方法があります。これにより、真のカルシウム吸収率を求めることができます。この方法は、専用の精密分析機器が必要となりますが、最も信頼できる方法の一つです。

下記のグラフは、現在最も信頼できる試験方法である安定同位体法にてオランダのTNO栄養食品研究所にて実施された試験結果です。水溶性のカルシウムである乳酸カルシウム、グルコン酸乳酸カルシウムの真のカルシウム吸収率は、吸収性が比較的高いと報告されてきた牛乳中のカルシウムに比べて同等以上であることが確認できました。

被験者:健康な閉経後女性10名
試験期間:10週間
試験方法:一定期間(1~2週間)の間隔をあけながら全てのカルシウムを摂取して吸収率を調べる(クロスオーバー法) 

 
参考文献: 
Elizabeth J. Brink, Ellen G.H.M, van den Heuvel, Theo Mujis, Comparison of six different calcium sources and meal type on true fractional calcium absorption in post menopausal women, Department of Nutritional Physiology, TNO Nutrition and Food Research, P.O, Box 360, 3700 AJ Zeist, The Netherlands
青江誠一郎、吸収性の良さが実証されたL-乳酸カルシウム(発酵乳酸カルシウム)とグルコン酸乳酸カルシウム、2004.1ピューラック・ジャパン株式会社

 

 

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