糖尿病とカルシウム

平成29年9月21日発表の厚生労働省の平成28年の「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病有病者と糖尿病予備軍はいずれも約1,000万人と推計される。」と発表しています。

この数値は平成9年以降増加しています。

糖尿病は、厚生労働省が健康日本21の課題のひとつに挙げていますが、生活習慣と社会環境の変化に伴って増加し、ひとたび発症すると治癒することはありません。また、いろんな合併症を起こす厄介な疾病です。

今回は、糖尿病の発症のリスクとカルシウム摂取との関連についてお伝えします。

 

国立がん研究センターは、日本人の生活習慣病の予防に役立てるための多目的コホート研究を行っています。その中で、カルシウムとビタミンD摂取量と糖尿病との関連についてのレポートが発表されています。


レポートによりますと、全国9保健所管内に居住していた2型糖尿病又はその他の重症疾患の病歴のない40~59才の男女59,796人について、研究開始から5年後に食事調査を含む生活習慣についての詳しいアンケートを実施し、乳製品、カルシウムおよびビタミンD摂取と糖尿病発症との関連を調べています。(分析の際は、糖尿病発症に関係する他の影響を出来るだけ取り除いています。)


アンケートの内容から、乳製品、カルシウムおよびビタミンDの摂取量を算出し、糖尿病発症リスクとの関連を分析した結果、女性において乳製品の摂取量が最も高いグループでは、最も低いグループに比べて糖尿病の発症のリスクが約30%低くなることがわかりました。

さらに、男女共にビタミンDの摂取量が高い群において、カルシウム摂取量が高いと糖尿病発症のリスクが低くなることがわかりました。

 

海外の研究でも、カルシウムを適量摂取する女性はカルシウム摂取が少ない女性に比べて糖尿病のリスクが低下したことを報告しています。

 

さらには、過去の論文を集めて解析した結果、カルシウムの適量摂取がインスリン抵抗性(インスリンがはたらきにくく血糖値が下がりにくい状態)を軽減させることが示されています。

 

ビタミンD及びカルシウム摂取と糖尿病予防のメカニズムの詳細は研究途上ですが、ビタミンDとカルシウムの適量摂取は、糖尿病予防に関係する事は間違いないようです。

 

一般的に、日本人の食事にはカルシウムが不足しています。今回の調査結果より、日本人においてもカルシウムの摂取量を増やすことにより、糖尿病を予防する可能性があることがわかりました。

 

日々の食事やサプリメントを利用してカルシウムを積極的に摂取しましょう!

 

 

参考:国立がん研究センター 多目的コホート研究「カルシウムとビタミンD摂取量と糖尿病との関連について」 

Pittas AG, Dawson-Hughes B, Li T, Van RM, Willett WC, Manson JE, Hu FB.2006Vitamin D and Calcium Intake in Relation to Type 2 Diabetes in Women. Diabetes Care 29:650-6. 

Pittas AG, Lau J, Hu FB, Dawson-Hughes B2007The Role of Vitamin D and Calcium in type 2 diabetes. A systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Endocrinol Metab 92:2017-29

 

 

 

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