歯周病とカルシウムの関係

皆さんは「8020(はちまるにいまる)運動」という言葉を聞いたことがありますか?

これは厚生労働省や日本歯科医師会で推進している「80歳になっても20本、自分の歯を保ちましょう」という運動です。現代社会において自分の歯を失う原因の多くを占めるのが「歯周病」と言われています。今回はこの歯周病とカルシウムの関係についてお話しましょう。

 

歯周病とは歯周病原菌が口の中に定着することによって始まる炎症性の病気です。歯を支えているあごの骨(歯槽骨)やセメント質が細菌に感染して炎症を起こし、じわじわと組織を破壊しいく病気をいいます。歯槽骨も、破骨細胞により骨吸収(骨の破壊)が起こり、骨が溶けていきます。

身体を支える骨と違う点は、骨吸収の後に、骨形成が起こらない点です。そしてこれを予防するためには、一般的に細菌に感染しないよう、また、細菌の温床となりやすいプラーク(歯垢)を作らないように丁寧なブラッシングが必要ですが、最近は歯周病が全身の健康状態に関連していることが分かってきました。

周病を発症する要因としては、プラーク、歯周病原菌、喫煙、糖尿病、骨粗鬆症、メタボリックシンドローム、閉経による女性のホルモンの減少、カルシウムやビタミンDなどの栄養素摂取不足、飲酒などの生活習慣が挙げられています。

これらの要因の中で、カルシウムについては、食品由来のカルシウムを日常一日500mg以下しか摂取していない人は、一日800mg以上摂取している人に対し、歯周病リスクが約1.6倍になるという報告もあります。つまり、カルシウム摂取不足が骨粗鬆症のみでなく歯周病のリスクにもなりうると考えられます。

歯を失うと、食べること、話すことといった機能が低下し、クオリティー・オブ・ライブが著しく低下します。いつまでも自分の歯でおいしく食事をし、話をすることができるようにするためにも普段からカルシウムを摂ることを心がけましょう。

参考文献:
石川烈ら、「骨粗鬆症と歯周病疾患の関連性について」、生活習慣病の関係 平成17年3月, 12~28 (2005)、
財団法人8020推進財団
小川祥子ら、「オーラルケア食品の開発-歯周病と骨粗鬆症の関係に着目して-」、
フレグランスジャーナル 2008-6, 34~41 (2008)、フレグランスジャーナル
Nishida M. et al., J. Periodontol. 71(7), 1057~1066 (2000)

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